第一回 第二話 「高速道路の前で立っている男から高速道路で声をかけまくる男に。編

第一回 第二話
「高速道路の前で立っている男から高速道路で声かけまくる男に。編」

止まってくれたハイエース。
乗っていた男二人は、初めてヒッチハイクしている人を車に乗せたらしく、ドキドキだったそうです。
勿論、車をとめてしまった自分が一番ドキドキでしたが。

中からどんな人間が出てくるのか。
本当に自分の為にとまってくれたのか?
乗ったら乗ったで、なんか脅されたりしないかな?
マイナス思考は果てし無かったですが、、、心配無用。

男3人の車中はハイテンション!で大盛り上がり。

インター入口で寒さに震えていたのが嘘のように、今までの疲れも一気に吹き飛びました。
二人から色々とアドバイスをもらいました。
そこで一番重要なアドバイスが、車を捕まえる為に広げて持っていたについて。

B5の紙に黒色のマジックペンで「大阪」と書いていたのですが、

「これじゃあ文字が細くて走ってる車からじゃ読めないよ。」

盲点でした。

紙を広げている本人としては結構自信満々だったんだけど。
確かに、走っている車の立場になると、おそらく全然読めない。

そこで、世話好きな二人の兄ちゃん。
ピンク色の太いペンを出してきて、目立つように「大阪やねん」と書いてくれました。
初ヒッチハイク
川崎から港北PAまでの本当にあっという間の短いドライブ。
でも中身はとっても濃くて、今でも鮮明に記憶に残っています。

いいスタートであり、ステキな出会い。

港北PAで別れてから、しばらくパーキングをウロウロしながら現在の状況を改めて考えました。

「あーあ。。本当に高速に入っちゃった・・。もう後戻りできないよなぁ。」
追い込まれた気持ちもありましたが、なにより、
「本当にヒッチハイクできちゃったよ!」
という興奮でいっぱい。
一息入れた後、時間もだんだんと遅くなってきており、日が暮れると凹むので、パーキングでひたすら大型トラックの運転手に声をかけました。

てか、どうせ乗るならやっぱり大型のトラックに乗ってみたいじゃん!!

午後4時頃から声をかけはじめて一体何人に断られただろう・・。
断られる理由も様々。。。冷たくあしらう人もいれば、

「仕事上乗せちゃだめなんだよー。ごめんなー少年。」と、優しく断ってくれる人もいれば、

「これから寝るんだよ!」とキレる人もいたり、、、、。

けれど、諦めず声をかけ続けること約1時間。

午後5時頃にやっと乗せてくれるおっちゃんを捕まえました。
トラックにはめちゃくちゃ巨大なパラボナアンテナを積んでおり、熊本県まで運ぶとの事。
ただ、途中、兵庫県三ノ宮に寄らなければいけないらしいので、そこまで連れて行ってもらう事に。

人生で初めて乗り込む大型トラック。
いっきに兵庫県までいける嬉しさ。
知らないトラック運転手との二人きりの空間。

不思議と緊張や不安はありませんでした。
最初はお互いの事を話して、なんでヒッチハイクしてんのか?学校では何を勉強してるのか。など、色々と話をしていましたが、だんだんとおっちゃんの話す方が多くなってきました(笑)
トラック運転手の悩みや辛さ、運転のコツや今まで見てきた事故の話、プロである為の心得。などなど。
トラックに一人で乗ってるので、話す相手もいなく、助手席に話し相手がいるというのは嬉しいんだって。

眠気防止にもなるし。

このトラックのおっちゃんは神戸の人。
阪神大震災が起きた時に自ら進んで人助けをし、体育館などで数多くの人を取りまとめたりと、非常にやさしく熱い人でした。

約10時間

一緒に移動した時間。

トラックの助手席に乗ったのも初めて。
運転手さんとガチで語ったのも初めて。

本当に楽しい時間を過ごしました。

途中では晩飯や缶コーヒーなどもおごってもらい、色々と面倒をみてもらいました。
関西圏に入り、甲子園を過ぎた辺りから、もう着いてしまう。
おっちゃんとの旅も終わりか~。と、若干しんみりモードに。

別れの直前まで、おやじ論を熱く語ってくれ、なんだか息子のように目頭が熱くなってきました。
おっちゃんに気づかれないように窓の外を見るフリをして涙を悟られないようにしましたが。

まさかそんな熱い気持ちになるとは思ってもなかったです。

だんだんと三ノ宮駅に近づいて、

自分
「そろそろ着きますね。」

おっちゃん
「そやなー。5時くらいには三ノ宮駅から始発が出るやろうからそれまで待って、三ノ宮からは電車で帰れよ。」

そんな会話をした記憶があります。

つづく。