強烈な瞬間。俺の一歩。

「変わった。変われた。」という瞬間を振り返ってみると、あります。強烈に残っている瞬間が。

2001年の2月。
東名高速道路の川崎インターチェンジの前です。

大学進学で、岡山から東京にやってきて、初めての一人暮らしをして1年近く。学生生活は、目立たず、波風立てない感じで無難に過ごしていました。その無難さが「俺、つまんねーなぁ」って悶々とした気持ちを増幅させていた頃。

このまま、つまらないまま大学生活は過ぎちゃうのか?
俺の青春、どこにいった?って、モヤモヤと病んでた頃。

自分を変えたい。と言うとカッコよさげですが、何か、人と違うことで、みんなの目を向けさせたかったんだと思う。

だからやってみたんです。ヒッチハイク。

実家の岡山に帰省するのに一番安い方法ってなんだろ?
って考えた結果、ヒッチハイク。って思ったんです。

自分が何か変われるような錯覚もあったのでしょう。
一人旅とかしたことなかったし。自分にとっては大冒険な発想。
やろう!と決めてからは、ワクワクがとまらなかった。

いざ、決行の日。
準備を終えて、14時頃に東名高速道路の川崎インターチェンジ入口近くに到着しました。沢山の車が目の前を通り過ぎていくのを見て、一気に現実感が襲ってきて、非常に恥ずかしい気持ちと恐怖が込み上げてくるわけです。

ヒッチハイク
「大阪」と書いた紙は準備していました。
しかし、こんなの広げて道路に立ったことが無い。
やったことないし、笑われるって思うと、恥ずかしくて怖い。

誰も止まってくれなかったらどうしよう。という気持ちより、
誰かが本当に止まってしまったらどうしよう?
知らない人の車に乗ることになったら、俺、どうなっちゃうわけ?
高速道路に入ってしまったら引き返せなくない?
とか、色々と考えちゃうわけです。
考え、悩み、動けないまま、道路の端で2時間も座り込んでしまいました。

このまま家に帰ろうか。と何度も頭をよぎりましたが、自分がますます嫌になりそうだったので、覚悟が決まるまで道路の側で座り込んでいました。2時間後、近くの自動販売機でホットコーヒーを買って、一気に飲みほし、気合を入れました。

人に笑われる。指をさされる。バカにされる。

そんな恥ずかしさや恐怖をなんとか振り払い、
車が走っている道路で紙を広げて立ち上がった瞬間。

これが、自分にとっての強烈な、「変わった。変われた。」と思う瞬間です。
大げさな。と、思われるかもしれませんが、
ビビリな自分にとっては、本当に恥ずかしくて、怖かったんです。
大冒険だったんです。

そんな弱い自分が、意を決して、紙を広げることができた。

あの立ち上がれた瞬間は今でも鮮明に覚えています。紙を広げてからは、そりゃあもう沢山の車に見られました。指さされました。不思議そうに見られました。おー。って顔で見てくる人もいました。ごめんねーって申し訳なさそうな顔をする人もいました。たくさん笑われました。でも、不思議なもので、笑われると、笑いたくなるんです。すばらしい発見でしょ。ものすごい笑顔で、すれ違う車にアピールし始めちゃうんです。

その瞬間から感情のネジが一本取れました。
アホになれたんです。
アホの積み重ねで、今のアホがあるのだと思います。

あれだけ、ビビって、恥ずかしくて、立ち上がれなかったのに、アホになるとそんな感情は一瞬で吹き飛ぶんです。道端で座り込んでいた2時間がとってもくだらなく思えてくるんです。

そして、90分後。
1台の車が止まってくれました。
ヒッチハイク
初めてヒッチハイクに成功して、知らない人の車に乗ったという、この経験は、小さな成功体験として、その後の人生にとても大きな影響、自信に繋がっています。結局、その後、大学生活が終わるまでに何十回もヒッチハイクをして、日本中をトラック野郎や色んな人達と旅をすることになるわけです。(社会人になってからはヒッチハイクは卒業しました)

たった一歩を踏み出すだけで、一気に変われるんだから、動かないよりは動く!
やってみたいと思うことにはチャレンジしてみる!

あの一歩を踏み出した経験があったから、そう思えるようになったと思います。
恐れや恥ずかしさから逃げるより、チャレンジする方向を選択した方がいい道に繋がっている。

実体験で学べたので、本当に俺はラッキーだと思います。

そんな経験もあったので、現在の「なかなか一歩を踏み出せないでいる人をいかに応援するか」という取り組み、仕事にも繋がってきています。

現状の自分たちにできることは、少しでも多くの「就職」「正社員」「雇用」「IT」「就職難民」「フリーター」という紙を広げて、次のステージに向って進もうとしている人達の前で止まり、

「乗ってく?」

と言って、ノリノリで助手席に乗せてあげれる会社に成長していく事だと思っています。ちょっと変な例えですけど。

105年後。
ノリノリで「乗ってく?」って言えてるかな?